まだまだ人生迷いまくり中の、シングルマザーことこと子です。子どもの頃から活字が苦手で、読書に無縁だと思っていた私が、ある本に出会ってすっかり本好きになり、心豊かに生きられるようになった事をお話します。
あしたも、こはるびより。
この本は、ふたり合わせて171歳の「つばた夫婦」の暮らしのお話。今から10年以上前、身も心も疲れ果てていた時期、何かにすがりたくてふらっと立ち寄った本屋さんで、たまたま手に取った本でした。
「あしたも、こはるびより。」株式会社主婦と生活社 2011年11月7日 1刷発行
ニュータウンを造成していた建築家でヨット冒険家の「つばたしゅういちさん」と、裕福な酒屋に生まれの専業主婦「つばた英子さん」が、毎日を丁寧に、季節を楽しみながら暮らす姿がとっても素敵でユーモラスであったかくて心に染みるのです。
雑誌を購入しても隅々まで読むことができないほど、本当に読書とは無縁に生きてきたので、なぜこの本に出会えたのか今でも不思議なくらいなのですが、二人の暮らしぶりに感銘を受けて何度も何度も読み返して大好きになり、この他にも数冊存在するシリーズ本も立て続けに購入しました。
”暮らしを作る”暮らし方
この本に描かれているお二人の住まいは、名古屋市郊外のニュータウンにある築35年の小さな平屋です。ゴツゴツした石が転がる造成地に、自分たちで30坪の面積に木を植えて雑木林を作り、家を建て、200坪のキッチンガーデンで春夏秋冬の季節ごとの野菜や果実を育てて楽しみます。
夏は早朝から畑に入り、昼間はお昼寝して無理をせず。春から秋までに保存食をせっせと作って、冬はのんびり編み物で時間を費やす。でもゴロゴロなんかしておらず、いつも元気に忙しく働く姿に頭が下がる思いです。
ただただ本当に素敵で、お二人のこの著書が私のバイブルになりました。
思いやりにあふれた生活
この本に書かれている何気ない日常は、常に思いやりと愛に溢れています。
つばたさんご夫婦が、お互いに思いやって暮らす様子。この本の取材陣に対するもてなしの心、お孫さんや娘さん、知人友人を楽しませるための春夏秋冬の贈り物などの随所にそれが表れています。
思いやりといえば、しゅういちさんが英子さんのために用意する「伝言板」が特に素敵なんです。ガスの消し忘れ防止に、お風呂の湯沸かしの忘れ防止に、畑の段差でのつまづき防止や、畑担当の英子さんがどこに何を植えたか忘れないようにするための看板づくり。
口でその都度イチイチ注意してしまうとお互いに楽しくないから、しゅういちさんが得意のイラストを添えて板越しに伝えるさりげなさが実にユーモラス。本を通して見ているこっちも嬉しくなって、クスクス笑ってしまう一幕です。
暮らしを丁寧に、小さな喜びを大切にする方法を、この一冊から随分学んだと私は思っています
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