温かい理想のクリスマス
愛情たっぷりのクリスマスってなんだろう。
カラフルなオーナメントで飾られた大きなクリスマスツリーに、望み通りのクリスマスプレゼント。サンタさんを出迎えられるような煙突はなくても、枕元にはプレゼントを入れられるくらいの靴下と、そこに入れられたサンタさんへの感謝の手紙。
イブの夜は、家族で食卓を囲んでジューシーに焼かれたローストチキンなどのご馳走をたべ、食後はとびっきりのクリスマスケーキをお腹いっぱい食べる。
こんな風に幸せそのもののクリスマスを、子供は一番喜ぶのではないでしょうか。(思い浮かべただけでウットリ)
苦いクリスマスの思い出
てな感じにしてみたかったけど、残念ながら子どもの頃の我が家はこれからかけ離れていました。あれは小学1年生の時だったか、クリスマスが近づいたある日、母に誘われ街の量販店へいきました。いつもならまっしぐらに食料品売り場に行くはずが、なにやら隣の服売り場で物色をはじめた母。
「靴下がボロボロになってるから、新しいやつ買ってあげようか。ほら選んでいいよ。」
こんなことは滅多にないので、好きな当時好きだったサンリオのキキララなどのイラストが入ったのを、なんと2~3足まとめて買ってくれ嬉しかった記憶がいまだにあります。
3人兄弟の末っ子で、お下がりの多かった私が、母に洋服売り場で特別に買ってもらえる(よーく考えたら服じゃなくてただの靴下だけどなw)なんて夢にも思わなかったので、それだけで嬉しかったなぁ。
でもなぜか、その靴下、すぐにははけないと言われ謎めく買い物だったのです。
市役所の車でやってきたサンタ
謎の買い物があって何日も経過した後、待望のクリスマスイブがやってきました。
うちは煙突がないから、ここから入ってくるはずだ!
と、朝から縁側や玄関の見張りをしていた少女だった私。そんな風に待っていたらサンタさんがこれないよ。と注意されつつ、無常にも時間だけが過ぎていくなか、ふと現れた赤い服の人影
キターーーーーーーーーー!
すぐに駆け寄り、外に消えていくその人を追おうとしたら、全力で止めようとする母。今だったら重々その状況は理解できるのだが、とにかくものすごい母の形相に一瞬ひるみはしたものの、いまだとばかりに間をぬってその人物をこの目で確認。
サ、サンタじゃん!
でもそのサンタらしきおじさんは、家の前の路地に停めてある「〇〇市役所」という車に慌てて乗ってどこか遠くへいってしまったのです。
大変ショックを受けつつ、家に戻って縁側に置かれたクリスマスカラーの包みをほどくと...
え、あの日の靴下!
こんな切なくも苦い思い出があるので、貧乏でも我が子にはちゃんとお祝いすることを心掛けているシングルマザーことこと子なのでした。
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